母親が買ってくれたものだからとずっととってあったピンクの掛布団カバーとタオルケットを捨てた。
子供の頃から自分の見た目がかわいいものではないと理解していたのでかわいいものを身に着けるのも身の回りに置くのも単純に居心地が悪かった。
持ってて違和感がない程度のかわいいをそばに置ければ満足できたし、それは別に辛くはなかった。ピンクも別に好きじゃなかったと思う。緑や白が好きだったしそれは今もだ。
しかし母は乙女趣味というか少女漫画を読みハーレクインロマンスを読み父に気に入られるためなのか娘が父にいじめられたり目の前で理不尽を言われていても庇う事もとりなすこともしない女性だったので(母が父に食い下がって怒ったのを見たのは自分の少女漫画コレクションを勝手に捨てられた時だけだったように記憶している)ピンクやかわいいものを好きじゃない女の子なんていないと思っていたのかもしれない。自分の娘はかわいいへの欲求を抑圧しているのだろうと不憫に思ったのかもしれない。もしくはただ単純に自分が使いたかったけど歳的になぁ~というものをちょうどそこにいた娘に持たせることで自分の心を満たしていたのかもしれない。
しれないばかりだ。母が他界してずいぶんたつしもう永遠にわからない。
そんなわけでそれらがよくわからなくて捨てられなかった。
自分に与えられたものだけど自分のものなのかなんなのかわからず捨てる権利がないような気がしてずっとそれらはわたしとともにあった。
とにかくわたしは母にも父にも愛されたかったので迎合し喜び持ち続けていた。
そんな感じで「おかあさんがくれたから」の一点で持ち続けていたタオルケットと布団カバーだったが捨てた。
もっといいものを自分にあうものをそばに置きたくなったのでスペースが足らなくなったので捨てた。
捨てられた。
ホッとした。
すごく眠い。