知らない人には信じられないだろうが、VRChatには「他人に譲渡できるアイテム」という概念が存在しない。
オブジェクトは、予めワールドに存在しているものか、個人のアバター部品として仕込まれているものしか無いのだ。
もちろん譲渡が存在しないのだから売買という概念もゲーム内通貨という概念も存在しない。
遥か過去に存在していたSecondLifeではスムーズに行えていた「ワールド内に設置された自動販売システムで、ゲーム内通貨を使って、購入したアクセサリを、アバターに装着する」なんてことは出来ない。
それをするには、VRChatとは全く関係ない販売サイトでクレジットカード決済をしてモデルデータをダウンロードし、3DモデリングソフトのBlenderで調整し、ゲーム開発ソフトUnityでアップロードするという、それだけでもかなり面倒くさい手順が要求される。
VRChatの運営がそれを狙ってやったのではないと思うが、一定の技術力を持たないユーザ層をシャットアウトすることで、コミュニケーション能力ではなく何かを作る能力が高く評価されるコミュニティが形成されたことが、VRChatの発展にとって良い影響を与えているのだと思う。