私は平成元年生まれの人間で楷書しか書けない。だいたいの若者が手書きの文字は楷書を書いていると思う。
若くても、書道や硬筆、ペン習字をしている人は行書や草書を日常的に書くのかもしれない。
学校では習字の授業はあったけれども、行書や草書を日常使いできるレベルの教育は受けてない。
無意識のうちに楷書で書くことを強制されているような気がする。
国語の漢字テストで、回答を行書や草書で書いたら点数はもらえないと思う。楷書で書きなさい💢と教師から注意を受けそうだ。20代の教師だと私のように行書や草書が読めないかもしれないし。
でも、楷書は行書や草書に比べ書くのに時間がかかる。丁寧にゆっくり書く余裕があるなら、楷書でもいいけど、小論文のテスト等、長文を早く書かなくちゃいけない場面では楷書は厄介だ。早さを求められる場面では行書や草書で書いた方が効率的。でも、小論文やテストで行書や草書の回答を書く10代はいないと思う。
昔の人のように、行書や草書を日常使いせず、現代では時間がかかる楷書という書体を使って、皆が早く字を書くようにそれぞれ工夫をしているという状況だ。
字を上手く書けるからといって、字が上手い上に早く書けるとは限らない。書道を学んでいる学生でも、時間制限がある学校のテストでは「綺麗に丁寧に文字を書く」というわけじゃなく「早く書き終えられるように手癖で感覚的に書く」んだと思う。
こんな状況だから、楷書のくせ字が色々と発達してきた。丁寧に綺麗に書こうとすればするほど、「お手本」に近づいていくけれども、早く書こうとすればするほどくせ字になり、その人の独特の筆跡が出来上がる。