選挙の時期になると必ず、「どうせ投票したって選挙結果は変わらない」というようなことを言う有権者が、必ず現れる。
確かに選挙結果を見れば、あなたの投票した候補と、当選圏には何千票もの溝があり、あなたが誰に投票したって選挙結果は変わらない、ということは往々にしてある。
そうやって、あなたの投票行動は、選挙結果(議席数)には何の影響も与えないかもしれない。しかし、選挙結果というのは決して当落だけではないのである。
というのも、身の回りに与党関係者が居ればよく分かると思うが、与党というものは選挙があってもなくても、常に世論の動向を気にしている。
マスコミが定期的に発表する世論調査の結果もそうだし、党が独自に調査している情報や、いわゆる観測気球の報道がどう受け止められたか、非常に気にしていることがよく分かる。
何の政策であっても、反対意見が世論に目立つようであれば、事を慎重に進め、それ以上支持率が下がらないよう気を付けているのである。
だから、あなたが今の与党にブレーキをかけたいと思うのなら、選挙では与党以外の候補者に投票すべきなのである。選挙とは当落だけでなく、その票差にもメッセージを込めることが出来るからだ。
仮に与党とその他の票差が縮まれば、与党としては慎重に行動せざるを得ない。逆に大差がついて圧勝してしまえば、あらゆる全権を委任されたと解釈し、意のままに事を進めようとするだろう。
私が選挙のたびに驚くのは、そのことに気づいていない有権者が多いことだ。
あなたの持つカラーと同じ色の候補に投票するだけが、選挙ではない。白すぎる白には黒を、黒すぎる黒には白を、あなたの持つ色とは無関係に意思を示し、この社会を気持ちよいグレーに染めよう。