彼女を振ってきた。
昨日までは、99.9%別れよう、と思っていたけど、いま、このときに抱えていた問題を解消できるなら、乗り越えられるなら、またやり直せるかもしれない、という
彼女と対面。
「こんばんは」から、ポツリ・ポツリと始まる会話。
最初は緩やかに、しかし話題が「あのこと」に及ぶと、テンポは途端に速くなっていく。
繰り返される会話。確認される過去。どのように評価し、どのような気持ちが尊重されるべきか。
ずっと、ずっと、なんとかしよう、という意思それ自体は感じるけれども、
私の方は、徐々に諦めの気持ちになっていく。
話が噛み合っていない。
錦の御旗を掲げ、懸命に自己正当化をする彼女がそこにはいるけど、私への気持ちと、将来への希望が僅かにでも感じることができず、徐々に気持ちの整理ができていく。
途中からは、過去の回想すらしていたかもしれない。二人で観たあの桜、綺麗だったな。
ありえた未来にサヨナラを告げていたかもしれない。もう一度誕生日を、一緒に過ごしたかったな。
そうした過去と未来とをごちゃまぜにした走馬灯を見終えた段階で、決意がついた。
「うん、もう、別れよう。」
ネットでは「振った側からの復縁」みたいな話題もあって、とても驚く。
自分に何度も何度も問いかけ、確認し、最後に彼女の顔を見ながら、たぶん、その愛おしさから、笑顔で告げたであろう言葉であったから、もう撤回なんてありえない。
もう、彼女に会うことは、決して、ない。
もう会えないけど、もうあの約束は果たせないけど、最後はクソみたいな別れ方だったけど、
君を好きだったことは本当だよ。