http://b.hatena.ne.jp/entry/4668266855964355810/comment/ringomoon
上のブクマ、カメラについて語る増田に対して、何で撮ろうが編集で決まると返しているのだが本当だろうか?
私はしがない映像の編集者で、撮影素材を一本の映像として繋ぐパートを担当している。ばらばらのセグメントを文章に組み立てるような仕事だ。
その立場から言って、そんなわけはない。編集作業は基本的に素材に左右される。
たとえ、ジャンプカットのみのYouTuber編集だとしても、
人物のサイズ感、レンズの歪み、露出、ボケ足、照明、フレア、粒度、ノイズの有無、背景から人物までの空間の広さ、人物をど真ん中にするのか端に寄せるのか、素材の音声にノイズがのっているのか、どんなノイズか、
たぶんもっとあるが、これらを加味して編集すると言うのが前提である。
そして、これらの要素は基本的に不可逆で、編集で変えることはできても、あくまで擬似的。そして、完成品のビジョンによって、必要な要素は変わるわけで、
例えば、
話者の背景にある小物をボカすかで何に集中してもらうか変わる。
生っぽくするのか、フィルム風にするかで生じる説得力が変わる。
もちろん編集を生業にしてるのだから、素材の状態にあった編集はできる。ただ、それが元のビジョンにどれだけ近いのか、映像の中で主張しているもの、話者のキャラクターにあっているか、というのを考えると、成立できるかどうかといえば、あやしい。
どう料理するかはもちろん要だが、そのどう料理するかは食材に左右されるし、意図した料理にするには、意図した食材を用意しなければいけない。
なのでカメラだいじ、超だいじ。