物心着いた頃から家に本はなかった。絵本もろくに買ってもらったことはないし、親もガラケーかスマホばかり見ていた記憶がある。小学生になって初めて友達の家に行って、世の中の人は本を読むということを学んだ。本屋にある本はみんな偉い人が読むものだと思っていた。だから私は今でも本屋に行くとここは自分のような者がいてはいけないと思う。学校で本を読むのは勉強だから仕方ないと思ってた。私は本を読むのは勉強だからつまらないと思った。図書の時間が嫌いでクラスで頭のいい女子がたくさん本を読んでいるのが嫌だった。男子はかいけつゾロリの取り合いで女子は男子は子供だと思ってた。私は周りに合わせてそだねと言っていた。
小学五年生のとき友達にこれエロいよって本を借りた。表紙が可愛いから中身を見てみたらすごくエロかった。女の子が男の人とエッチしてて、エロいことに興味があった私はその本を一気読みした。ホストと付き合って女の子が死んじゃう話だった。ホストが何だかよくわからなかったけど、悲しいと思った。だから泣けるねって友達に返した。友達はまた本を貸してくれた。わからない言葉が出てきたので親に聞いたら怒られてこんな本は読むなって捨てられそうになった。今思うと小学生がソープ嬢ってなあにとか笑える。それから中学になってガラケーを買ってもらって、毎晩こっそり魔法のiらんどや野いちごでエロい小説を探した。好きな小説は恋愛小説と言っていたけど、本当はエロいことばかり考えていた。男の人のエロサイトも見てみたけど私にはよくわからなかった。私も真似をしてエロい小説を書いた。エロと言っても実際のSEXはよくわかってなかったのでキスと喘ぎ声だけで5ページとか使ってた。本を貸してくれた友達も書いていた。私は毎回コメントを書いていたけど、別の高校に入って疎遠になってそれきりになってきた。最近その子が結婚して子供がいるらしいと聞いて昔のことを思い出したので匿名で吐き出してみた。今では順調に拗らせ喪女してます。