2018-08-24

目の前で人が消えた

先日の仕事帰りのできごと

いつもの帰り道、いつも通る交差点にさしかかった。

向かって左手前の角は駐車場なので見通しはよい。その日は車も停まっていなかった。

交差点駐車場のあるほうの角には、街灯が立っている。

支柱の幅は15cmほどしかなくて、とてもじゃないが人が隠れられる幅はない。

そこに一人のおばさんがいた。

向かって右から左に交差点を渡ったばかりなのか、その街頭の支柱を右から左に横切ろうとしていた。

そこまで確認して、手元のスマートフォンに目を落とした。

時間でいえば3秒ほどだろうか。

再び顔を上げ、進行方向をぐるりと見渡してから異変に気づいた。

おばさんがいない。

支柱から駐車場を挟んで隣の壁までは、15Mほど幅がある。数秒で渡りきれる距離ではない。

途中で進行方向を変えたとしても、その範囲に歩いている人はいなかった。

そのかわりに、対面からこちらに向かって歩いてくる人や、自分の背後から同じ方向に進む人は何人かいた。

ただ、その人達の様子を伺ってみても、そこで何かが起こったことを感じているような素振りはなかった。

人らしき姿を見たとかではない。直前の記憶をたどれば、そこには確かに人がいた姿をはっきりと思い出すことが出来た。

しかし、今目の前に、その姿はもうなかった。

交差点へと進み左右を確認してみたが、やはりそれらしき姿を確認することはできなかった。

一つわかったことがあった。

まりにも意識がはっきりとしているときにそういったことが起こると、人はそれほど驚かないということだ。

そして、何か霊的なもの存在を疑うよりも先に、自らの脳の異常を疑うということもわかった。

要するに、直前に見えた姿があれだけはっきりだったにもかかわらず、脳が見せた誤解かもしれないということだ。

しかしたら、見ていた距離を誤って、もっと奥の方にいいた人が建物の中に入ってしまっただけかもしれない。

例えそうだとしても、この距離感を脳が誤解したかもしれないと考えると記憶が正常に機能していないことに違いはなかった。

思い返してみると、誰もいないはずのところに人の気配などを感じることが最近は多くなってきたようにも思える。

幼少期はそれを霊能力だと勘違いしていた時期もあったが、どうやら脳の中で何かが起こっている可能性を疑ったほうが現実的なようだ。

悪い病気でなければよいが、人が目の前で姿を消すというものは、あんまり気持ちの良いものではない。

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