そのIPはソシャゲアプリを起点としたメディア展開により、認知と売り上げの確保を狙っていた。
だが、本体のアプリは不発、アニメ放映前にあえなくサービス終了となった。
ここまでは、ここ数年の間で何度も見てきた、ごくありふれた新規IPの誕生と死であった。
だが奇跡は起きた。アプリのサービス終了の後に放映されたアニメが社会現象となった。
アプリと同様、いやそれ以上に、アニメの間口は広くはなかった。
だが回を重ねるうちに、その魅力が徐々に人の口を介して広まっていった。
最終回を迎える頃には、号泣する多くのアニメファンの声がSNSに溢れるようになっていた。
かくして、一度確かに死んだそのIPは、いくつかの奇跡を経て復活を遂げた。
新たなアプリの開発、そしてアニメの二期も発表され、人々はそのIPの奇跡のストーリーを讃え未来を夢見た。
ある日突然、アニメのヒットの立役者であった主要スタッフの降板が発表された。
最終的な発表では、版権等の管理を適切な状態にするため、ということであった。
ファンは大きくどよめいた。
製作側の舞台裏が、アニメの作風とあまりにもかけ離れていたからである。
そしてさらに数ヶ月後、新たなアプリたちがリリースを始めると、ファンはさらに落胆することになる。
疑心暗鬼のファンの前に出されたのは、劣化ねこあつめと劣化キャンクラクローンだったからである。
悲しいよな。けもフレをなんども殺さないで欲しいわ