技術部社員門全員は、上位部門の役職者より重要な発表があるので必ず出席するようにとのこと。
嫌な予感しかしない。
会場の入り口で出欠確認がなされ席につく。めったに顔を見せない上位部門役職者がそこにいて、最近転勤してきた部長と談笑していた。
死んだような表情の社長を含め上級のマネージャー陣の表情は暗い。
どう考えても発表は碌な事ではないだろう。
急ごしらえであることが見て取れる文字とグラフのみの簡素な二枚だけのプレゼンテーション。
「このグラフの通り、技術部門の2018年の予算は半分以下で、これ以上日本の技術部門への投資は行わない。」
「ついては今年末に殆どのプロジェクトを終了し、残ったプロジェクトも2018年末をもってクローズする。」
その後もなんだかんだと説明、質疑があったのだが、要は今年中にクビになるか来年いっぱいでクビになるかどちらかということだ。
思えばここ数年間ほぼ半年ごとのリストラがあった。しかしながらまさか部門ごと消えてなくなり、自分もクビになるかもしれない事態になるとは思っていなかったのが正直な感想だ。
どこかで自分は大丈夫であろうという何の裏付けもなく思っていた。