私には小学生から20中盤までずっと通っている飯屋がある。大学を卒業し、自立してからは二週間に一度は必ず食べに行っていた。多い時は一週間に3回ぐらい通う事もある。そんな大好きな店がある。
私は比較的、食欲旺盛でココイチならライス600g、ラーメンなら替え玉2回、吉野家なら大盛り2杯が当たり前だのクラッカーであり、勿論この店でも3人前のサイズをいつも注文していた上にいつも同じモノを注文していたので店長さんやアルバイトの方達には完全に覚えられていた(きっと裏ではあだ名をつけられていたに違いない)
しかし最近、仕事がかなり忙しくどうしても食べにいけない日が続いた、約二ヶ月
9月XX日、仕事が少しだけ早く終わった(と言っても9時。)閉店は10時。なんとか車を飛ばし9時30分にお店に到着
こんな時間に迷惑だろうなと思いながらも入店。勿論、店には客はおらず、お店も閉める準備をしていた(多分)
状況を察しやっぱり迷惑だなーと思い一言謝り、帰ろうとすると凄く可愛い多分女子大生のアルバイトの方がどうぞどうぞと席を勧めてきてくれた。それはもう座るしかないだろう、据え膳食わぬは男の恥よ、満を持してどっしりと椅子に座っていつも通りメニューを持ってくる前に注文を告げた。しかし、よく見るといつもとシェフが馴染みの店長ではなく、初対面のシェフだった。シェフは私が注文するな否や、アルバイトの方に準備中の看板を立ててくる様に命令(とても語気荒く。)そしてシェフは面倒くさそうに何度もため息と舌打ちを繰り返しながら美味しい料理を作ってくれた(圧倒的感謝)勿論、料理を出してくれてからは洗い物をわざとガチャガチャ大きな音をたてながらやっていた。空を舞うまな板と平鍋には流石の私も震え上がった。洗い物が終わるとシェフは私が食べ終わる前に裏に帰っていった。どうやらシェフは私とアルバイトの方に二人の時間をプレゼントしてくれたらしい
残された私とアルバイトの方は、二人の空間を満喫....できる訳も無く、私は料理を食べ終わった後、一息つく間も無く起立し、一目散にレジへ向かい上限まで貯めたスタンプカードをレジに置き、大きな声で「ごーちそーーさまでしたー!」と挨拶をし、店を後にした。