台風が過ぎようとしている9月の連休、所用があって有給を1日とったので、今日から4連休だ。
連休初日は洗濯などして過ごすつもりだが、コインランドリーで洗濯機を回している間、どこかで昼食を取る事にした。
あれは美味かった。
中野アチャラナータ。
身近であったが、まだ行った事はなかった。
怪しい雑居ビルの階段を上がり、扉を開けると、ビルの古めかしさに負けない昭和な空間に、マスターと思しきハ・・・禿頭の紳士。
・・・怪しい。
しかしそれより目に飛び込んで来たのは、その異次元空間に似つかわしくない、まるでrayの紙面から飛び出して来たような素敵女子であった。
いや見た目に騙されてはいけない。
彼女はああ見えてディープなカレーマニアであって、あの着回し特集にでて来そうなファッションは擬態なのだ。
よくよく考えれば、赤文字系ファッション誌はオタク女子の擬態に好適な情報の宝庫じゃないか。
すれば、街の素敵女子にも、どれだけの擬態女子が紛れている事だろう。
と言った事を考えていると、話好きのマスターが彼女に話しかけた。
「はい、旅行なんです。車で。主人ときたんですが、別行動で。」
なるほど!そういう事だったか!
彼女は元からのオタク性を赤文字系ファッションで擬態したのではなかったのだ。
ご主人がカレーマニアで、カレーバージンだった彼女は、ご主人とデートでカレーを食する内に、スパイスに魅了されたのだ。
彼女はお会計を済ませて、おそらくはご主人の元に帰っていった。
世界には夢が溢れている。