今日のように肌寒く雨などしとど降る日のあれば、
「やはりここでまだコートをクリーニングに出さなかった私の判断は正しい」
と思うわけである。
ワイシャツを取りに行ったときに持たされた「早めの衣替えで20%オフ!」なる広告に踊らされることもなく、だ。
しかし一方で先日のような最早暑くさえある日もあったりするわけで、そんな時のために出した春用の服は確実に私の広くもない部屋の一角で日毎にその存在感を増している。
ペラペラのマウンテンパーカーと、その右隣にモッサリとしたダウン。「機を逸する」という言葉のお手本のような景色だ。
ここで翻って、「クリーニング屋からみた私」について想像してみよう。
この時期で冬の服を一気にクリーニング屋に持って行くとした場合、
「まだ冷え込む日もあるのに見上げた心意気」と思われるだろうか。
この時点で見た私は「広告に踊らされて、まだ寒いのに冬物全部持ってノコノコやってきた愚かな消費者」になっているのではないか。
私は「20%オフにホイホイとつられる感じのチョロい人」になってはいるまいか?
かといって、ゴールデンウィークを挟んですっかり夏の足音、といったような陽気にダウンやらマフラーやら引っ提げて訪れるのもどうなのだろう。
「せっかく20%オフの情報まで提供したのに… この人は普段から思い切りの付かないことばかりで、見ようと思ってた映画がいつも先週に終わってるタイプの人なんだろう」などと思われるのも癪である。ララランドは初日に見た(とてもよかった)。