https://news.yahoo.co.jp/byline/masanoatsuko/20170327-00069178/
中央省庁の役人をしてましたが、いまは外にいるので、傍観者的に批評できます。
役人からすると、政治家や業者とのやりとりは、行政文書として保存・公開対象としておくのが、自分の身を守るためにも、過去の経緯を後任に伝達するためにも、役立つに決まっています。でも実際には、それをされると、世間の批判を受けやすくなる、さらには「調整力」を発揮できなくなってしまう政治家のセンセイたちのことを考え、行政文書として保存するような野暮な真似はせず、「個人的メモ」という名の書類が、個人の机の中には保存されるようになります。
おそらくこのFAXのコピーは、総理夫人付き部屋の机の中にある「政務案件 その○」というファイルに綴られていたのでしょう。本件が怪しい案件だというのは、官邸スタッフなら容易に嗅覚が聞くでしょうから、総理や総理夫人に泥が被らないうちに事務方だけで対処することを、おそらく、総理夫人付と、総理政務秘書官、総理財務秘書官の間で相談し、夫人には事後報告ですませていたのかなぁと推察いたします。
こんな話は、官邸のみならず、霞ヶ関さらには日本中の公務員職場にあふれかえっているはずです。役人が自発的にやるのは不可能なので、「やりとりをすべて文章化して保管せよ」という政治家が最もいやがる制度を政治家が作らない限り、改善されることはないと思います。