元増田とは少し考え方が違いますが、選ばれなかった過去という話を明確に打ち出しているので、「あり得たはずのもうひとつの世界」というのは重要な要素だと思います。
原爆で母を失ったヨーコは母の左手を握っていたために助かりましたが、すずさんが「晴美ちゃんのことを左手で引いていたら…」と後悔する際に出てくる映像と重ねることができます。
終盤にあの凄惨な親子のシーンを唐突に挿入する演出も、かなり意図的なものと思います。
もしすずさんが左手で手をつないでいたなら、晴美は助かっていたのかもしれません。
分岐ということで考えるならば、北條周作の求婚以前に水原哲とすずさんが結ばれていたら娘が産まれ、もしかしたら親子は広島で被害を受けたかもしれません。
ヨーコはそうした「ありえたはずのもうひとつの世界」の住人のようにも思えます。
そして、おりんさんという人も、すず=りんという名前から、すずさんのもうひとつのあり得た姿だったのかもと考えられます。
また、もしかしたら兄要一も南洋で生き延びて、ワニのお嫁さんと暮らしていたかもしれません。
それらのあり得た世界が選ばれなかったのは時代や状況のせいで、ただの偶然にすぎません。
無数の可能性から偶然選んだひとつの結果をどう受け止め生きるのか、ということを語った作品なのだと思いました。
そして最後にヨーコという(どこかの世界ですずさんの娘だったかもしれない・もしくは晴美のような)少女がすずさん・周作夫婦と出会います。
昔おりんさんがすずさんから西瓜の赤いところをもらったように、ヨーコはすずさんから海苔巻きをもらって、無数の世界が収束し重なり合います。
このラストは、冒頭で「海苔を巻いた望遠鏡」を覗いて眠ってしまったバケモノ、失くした右手が描いた鬼イチヤンが結んでくれた縁かもしれないね、と考えるととても素敵な結末に思えます。
終盤唐突に差し挟まれる、被爆したとおぼしき、右手がずたずたになって、左手を少女と繋いで焼け野原を歩く女性。 これは、すずだ、と。 これは、本当の、すずだ。 すずさんは、...
※この世界の片隅にのネタバレ含みます 元増田とは少し考え方が違いますが、選ばれなかった過去という話を明確に打ち出しているので、あり得たもうひとつの世界というのは重要な要...
海苔でくるりときれいに閉じるという指摘、非常に面白い。
Fateの改変かと思ったわ
どこが????
横だが、最初の3行が奈須きのこっぽい。
Fateネタなん?
それは俺も一瞬思ったヤツだけど、少なくとも子供の年齢は合わないよな。 原爆時点で3~4歳程度だろ。 妊娠疑惑から順調に成長して産んだとしても間に合わない。
こうゆうの結構嫌いじゃない。
自分から書いてるけどトトロとかポニョが死後の世界だとか言う妄言の類だろ。
俺も嫌いじゃない
・毎回にお笑いがオチにくるのは巻末目次後の掲載(「"巻末ほのぼのマンガ"というくくりで、」(ユリイカ2016年11月号P35、こうの))だった為。 ・妊娠騒動は、栄養不足...
メジャーな話だから特別もったいぶるような、すごい話のようなことを言うつもりはないんだけど、Keyの前身であるチームが作ったエロゲー「ONE~輝く季節へ~」についての有力な解釈...
どこかで見かけたネタのような気がする。
「原作未読」って言ってるけど、「鬼いちゃん」とか「いがんだ世界」とか映画では出てこなかった(音だけではそう認識しづらいが、原作では表記として出て来てる)言葉が入ってる...
「鬼イチャン」の表記は映画中に出てくる。 「いがんだ」は十分に聞き取れる。 りんの生い立ちは確かに微妙。俺は原作読んでたから普通に分かったが。
これよんではじめて知った そうか、冒頭の人さらいの籠の中であったあいつが周作だったのか 一度あったことがあるみたいなこと周作がいってたけど、深く考えてなかった
このレビューほんと好きでなんで全然伸びねーんだろって思ってるんだけど、「この世界の片隅に」って作品タイトルが入ってないからレビュー探してる人に届かないんだなーって思っ...
自演うぜーんだよゴミ
ブコメに「自分も最初そう思った」的なのが結構あって、あーやっぱそう思う人多いんだって思った。俺もここまでは考えてなかったけど、最初あれ絶対すずちゃんだとおmった。
なるほど《幻想殺し(イマジン・ブレイカー)》の右手ならぬ《幻想創造(イマジン・メイカー)》の右手か。 北條△か。