某年某月某日居酒屋某々
A「はい、それでは第一回『「悪い人じゃないんだけど…」の後に続く言葉を考える会』の開催を宣言します。」
B「このしょうもない会をナンバリングして今後の開催を予定する、その心意気は認めるよ。」
C「すでに帰りたい。」
A「『だけど』が示すように、「悪い人じゃないんだけど」とは反対の意味を表す言葉が続くのは間違いありませんね。」
B「総合評価で観れば悪い人ではないけど、個別評価では悪い点があるというニュアンスだと思う。『スポーツは得意だけど、サッカーは苦手』みたいなイメージ。」
C「悪い人じゃないんだけど、九九がおぼつかない。」
B「もっと口に出しにくい言葉かも。たとえば『悪い人じゃないんだけど、少し空気の読めないところがあってチームワークを乱しているところがあるけど、本人は一生懸命だし、悪意は全くないから、直して欲しくても、本人に言いづらい』とか。」
C「点々にこめられた意味が闇過ぎる。」
A「Bさんの意見は良い線いってそうだけど、ちょっと長いしネガティブすぎて、この研究結果を学会で発表しても、誰も幸せにしないと思う。」
B「そこは否定しないよ。でもどうするの?」
A「ポジティブに言い換えましょう。欠点があるということは、そこを改善すれば、もっと素敵な人になれる、つまり伸びしろがあるということ。こちらから言い辛いということは、本人の自助努力に任せたいということ。Bさんの説をポジティブに言い換えれば、『悪い人じゃないんだけど、コミュニケーションに伸びしろがあるから、今後の更なる飛躍に期待したい』になります。」
B・C「ポジティブ!」
A「結論が出たところで、閉会とさせていただきたいんだけど…。」
B「だけど…?」
A「今月お小遣いピンチなので、今日は、二人のおごりってことで!」
B・C「悪い人そのものだ…。」