魔法師グリーシャの騎士団シリーズを読んだ。展開の早い海外のジョットコースターファンタジーは終始ハラハラドキドキさせられっぱなしで、楽しめました。
個人的にこの小説は表紙のイラストがパワーを発揮してる気がした。魅力的で活き活きとしたキャラクターが、素敵な色合いのイラストに喚起されて、頭のなかで明確にイメージ出来た。
一巻からばんばん死人が出るし、強大すぎる闇の主に立ち向かわなければならない展開上、血なまぐさい状況に置かれたりにっちもさっちもいかない窮地に追い込まれることが何度もあった。
主人公は結構独りよがりな少女だし、自暴自棄になったり、間違いも後悔もたくさんしたりするし、最終的にはどうしようもない袋小路に突き当たってしまう。
かすかな希望に望みをかけて敵に立ち向かうんだけど、あまりにも圧倒的すぎるから追いつめられてしまう。
それでも、闇の主と対峙する間にたくさんの出会いがある。信頼や協力関係を結んで、一時は裏切られて、這い上がって共に歩み続けて、かけがいのない友情が芽生えていく。
仲間を育むという大きなキーワードが作品全体に流れていた気がした。悪いやつはいるけど、嫌なやつが少ないのも印象的だった。彼も辛かったろうなと思う。
また恋愛関係の発展も見逃せない。存在が違いすぎるがゆえのすれ違いがもどかしくて切なくなる。作中にいい男が多すぎるんですよね。闇の主を含めて。
女の子同士の友情も見ていて微笑ましい。一巻はギズギズしているのに、三巻だとほっこり笑顔になれる。様々な苦難を乗り越えて育まれる思いって本当にいいなあって覆った。
それにしても、海外のヤングアダルトに登場する女の子は恋愛に積極的な気がする。とりあえずぶつかって気持ちを露わにしてるような印象がある。
そんなに読んでないから反例はたくさん出てくるだろうけど、思いを伝える人が好まれているのかなって思った、
眠い。