2016-03-17

女子力

偏屈野郎なので、女子力って言葉が嫌いだ。

大学時代に出没したその言葉は、流行りだしたら一瞬で世間に広まった。「女子力」と言う言葉は、確かある年の流行語大賞だった思う。そして、個人的に、そんなものはないけど、流行語大賞殿堂入りもしていると思う。とにかく、とかく人は「女子力」という言葉をやたらと使う傾向がある。

女子同士の「女子力高い~」った際は、(男モテ狙いやがって、点数稼ぎ乙)っていう、牽制みたいなトゲが多少はあると思う。多少は。

飲み会の席で気をきかせてこまごまとした雑用をやっては、女友達に「女子力いね」って言われるから、内心(女子力じゃねー、気遣い馬鹿野郎)、と叫び続けた。

女性の「私女子力低いから~」という一言には(社会が求めている女らしい性格とは、かけ離れている)という、妙チクリンなPRと、(多少気を遣えなくても許してね)という甘えが潜んでいる。昔々、それはそれは腐女子界隈ではやった「性別は一応女らしいw」というような言葉たちの真意にそっくりだ。うまく流行語使用して、上位互換した言葉であると言えよう。

一方、男性からの「お前女子力低いよな」は、(俺様が求めている「女」のように振る舞え)という意味が隠れている。

そして、「俺、女子力高いから」という言葉を使うほぼすべての男性言葉の裏には(女々しいことしていると思われたくないから、先手を打って言い訳しとこ)という、社会的に求められている「男」像への言い訳が潜んでいる。男性ケーキを作るのはおかしい(と、思われるのが嫌だ)から女子力高いから」と言い訳をしておく。

要は、男女ともに社会が求めるジェンダー言い訳をしているのだ。女子力とは、言い訳のためにあるのではないか。

女子力、と言う言葉は世の中の「社会が求める男性、あるいは女性のあるべき姿」を荒々しく浮かび上がらせる言葉だ。こんなに男女平等だ、なんだ、と言われている時代に、なんて言葉が生まれたんだろう、と思わずはいられない。

社会が求めるような、「女性らしい人」「男性らしい人」なんて絶対いないわけだし、女子力って言葉はいっそ捨てちまうべきなんじゃなかろうか、と個人的に思う。

  • http://anond.hatelabo.jp/20160301222437 まさか30代で恋をするとは思わなかった よい。 http://anond.hatelabo.jp/20160301194406 正しい失恋の仕方がわからない 夢は所詮夢なので、あまり気にしないほう...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん