自分が母子家庭だからか、円満な家庭の人と付き合ってもうまくいかない。
別に母子家庭であることを相手が気にして振られる、とか、ことさらに「やっぱり両親がふたりいる家庭のほうがいいよね」というハラスメントを受けるとかではない。
ないのだが、言葉のはしばしや、ふとした話題に「円満な家族で何不自由なく育った人」の気配がただよってきて、「血のつながりがあろうが壊れるものは壊れる」という自分のスタンスについて何か劣等感を刺激されるのかもしれない。あと、そういう人って必然的に「円満な家庭」「模範的な母親」をこちらに求めている気が勝手にして、別に結婚を前提につきあっていたり、結婚を意識するほど長く付き合った結果とかでもないのに、なんだかものすごいプレッシャーを感じて、全体的にギクシャクして別れてしまう。
かといって、世間一般で理想とされるような家庭ではない家庭の人と付き合うと、それはそれでうまくいかない。最初はなんとなくうまくやれそうな空気があるし、一緒にいて居心地がいいんだけど、たとえば同じ母子家庭であっても我が家は金銭で苦労したことはないけれど相手は苦労していたり、我が家と違って両親はいたけれど父親がDVアル中みたいな人だと、大きいくくりでは同じ「円満ではなかった家庭」同士なんだけど、現在進行形でいろいろ背負っていたりして、やはり状況が同じというわけではないから、メンタルのあり方が全然違う。全然違うのになまじわかった気になっちゃうから、余計お互いの違いが見えてくると、気まずくなって別れにつながる気がする。互いに互いの事情に対して「全然気にしてないよ」というスタンスがとれるのはすごく気楽なんだけど、生半可に理解したような態度はとれるものの、本当に苦労をわかちあうことはできないせいか、かえって相手のカンにさわってしまうことも多い気がする。
結局、「家族」のことなんてそんなに気しなければいいのかもしれないけど、今のところうまくやり過ごすことができない……。練習なのかな。