「休みの日はなにしてるの?」
「出かけないんだ?」
『太陽が苦手だし、外出るのも面倒なんで』
『そういうのじゃなくて、偏頭痛持ちなので明るいのがだめなんです。家でも電気つけないし』
「ああ、なるほど。じゃあ夜は真っ暗なの?掃除してないとこけちゃうね」
『さすがに豆電球くらいはつけてますよ。あと作業するときは普通に電気つけてます』
「一日中?」
『はい』
『そうでもないですけど、最近暇すぎてモンストしかやることないです』
「暇ならシフト増やせよ」
『それとこれとは話が違います』
「そっか。俺もモンストやってるんだよね」
『そうなんですね』
「リーダー何使ってる?フレンドなろうよ」
『えー、嫌です』
「あはは、嫌って。なんでだよー」
『なんでって言われても』
「え?ほんとにだめなの?」
『はい』
『いらないです』
「えー、ルシファーって一番強いんだよ」
『持ってます』
「持ってるの?やっぱやり込んでるんじゃん。あ、もしかして課金してる?」
「へえ。ねえ、ほら見て、俺のルシファー」
『え、弱くないすか』
「いや、まだ強化が終わってないんだよ」
「いいじゃんいいじゃん。ね、フレンドなろうよ」
『だから嫌ですって』
「ほんと頑なだな。まあいいや」
『すいません』
「謝らなくていいよ。俺が弱いのが悪いんだし」
『そうですね。先輩が悪いです』
「言うなあ」
『言っちゃいます』
「あはは、でも、休みの日もモンストばっかやってたらよくないよ」
『そうなんですよねえ。おかげで太った気がします』
「健康被害でてるじゃん」
『モンスト太りです。たまには動かないとですね』
「そうだね。じゃあ今週末とか出かけようよ」
『今週末ですか。まあ確かに善は急げですね』
「ちょうど服買おうと思ってたから買い物付き合ってよ」
『え?』
『いや、同行しませんよ』
「いや、付き合ってよ」
『えー、嫌ですよ』
「人の買い物とか面倒なタイプ?」
『そういうわけじゃないですけど』
「じゃあいいじゃん」
『嫌です』
「きっぱりだね」
『きっぱり言っちゃいます』
「なんで嫌なの?」
『えー』
「はずかしい?」
『いやいや』
「なんで?」
「え?俺が弱いから?」
『うーん』
「俺のこと嫌い?」
『あはは』
「嫌いではない?」
『うーん』
「なにそれ」
『なんでしょうね』