いまではもう、8年ほど前の話になるが
教師の評価はどれだけ生徒をいい大学に受からせるか、だけだった。
いまなら、そんなこと普通に考えられるけれど
その当時はそんなこと考えたこともなかった。
クラスの中でも私の成績はいつも後ろから何番目かって感じだった。
要領もよくないし、バカだった。
成績のいい生徒は愛されていた。
私は、高校3年のとき、最後の一年だけ勉強を一生懸命頑張った。
そしたら先生の態度が変わった。よく目にかけてもらえるようになった。
そのあとなんだかんだ大学に入り、なんとなく教師になることを目指した。
それで教師になるための色々な授業を受けた。
その中でも心理学の授業がいまでも忘れられない。
その授業では「生徒は教師にかけられた期待次第で成長が変化する」ということが数値的に表した実験結果を見せてくれた。
しかも、教師は意識的ではなく無意識に生徒に対する期待値を変えてしまっているという内容だった。
当たり前の内容かもしれないが、恐ろしくなった。
もし、私のような、先生にあまり目にかけてもらえなかった生徒を私自身が教師になることで、また生み出してしまったらどうしよう、と。
私の高校では、勉強しかしなかったから勉強でしか評価できるものがなかった。
そのあと母校の教育実習に行ったけれど、職員室は生徒の「点数」の話しかしていなかった。
私は教師になることをやめた。
もし、母校の後輩がこれを見て、自分の高校かもと思ってくれたのなら、伝えたいことがある。
先生のいうことはすべてではないし、自分のしたいようにしたほうがいい。
あと、高校以外の色々なコミュニティに参加することをお勧めしたい。