ばさま「すいません、御祈願をお願いしたいんですが」
ばさま「実は主人がこのたび入院しまして…入院したのは一ヶ月くらい前なんですが」
ばさま「今も入院しておりまして…病気平癒の御祈願を、お願いしようと思います」
神主様「(今言ったが)はい、では奥様のご主人様の病気平癒ですね。
続きましてお名前を」
ばさま「シニカワです」
神主様「しにかわ、ですか?」
ばさま「シに、カワです。カタカナのシにカワって書くんです」
神主様「(シ…さんずいがわの事か)さんずいの河ですか?」
ばさま「そうです。でその上に、シが付きます。そしてカタカナのシが付きます」
神主様「(??? 厳、みたいな字か? でもそんな字ねえだろ)
すみません、このさんずいがわ(河)の上に、シが付くんですか?」
神主様「……。
ああ。
シにカワと書くほうなんですね?」
ばさま「そうです」
神主様「市河(いちかわ)様、でよろしいですか?」
ばさま「はい」
①恐らくイチカワと言えば皆が「市川」と書くので、いつも違う部分(河)を説明する羽目になるため、その説明を先に行った
③字の説明をする際に、シ(市)とシがつくカワ(河)というややこしい組み合わせにて説明を強行したため余計こんがらがった
④「名字はイチカワで、イチバのイチにさんずいの方のカワです」とストレートに言えババア
⑤あとせっかく旦那さんの為に遠くから来てんのにわざわざ境内でその目的を全力で裏切るがごとく不吉な単語何回も連発するなババア
高齢者の祈願受付するとこういう事が本当に多い。
“高齢者は若い人と会話すると脳トレになる”みたいな事言うけど、若い人のほうがよっぽど、高齢者と話すと脳トレになると思う。
波
確かに
ああ、なるほど。 確かにこれも“シにカワ”だ。 ただ、波は名字にも名前にも多用される字ながら、説明する人は全員揃って「なみ」と口にする為、候補に登らなかった。 だが、「シ...