僕は今まで時間にルーズでメールもろくに返さないクズだった。友人にも注意されはしたが、なかなか長年の自分の変えれずにいて、友人たちにもかなり呆れられていた。それでも僕の友人たちは本当にいい人たちで、友達づきあいをやめるようなことはしなかった。僕はそれにどっぷり甘えていた。
僕は長年非モテだったが先日まぐれで彼女ができた。結構はっきり言う系の彼女だったので、僕のそのクズっぷりはすぐさま注意された。その時、さんざん友人から注意されても直す気のなかった僕だけど、この時ばかりはかなりのダメージを受け堪えた。
なぜならそれが原因で僕の好きな、それも努力に努力してせっかくお付き合いまでできた女の子とお別れしなければならないという恐怖があったからだ。熱量の冷めや、考え方の違い方でお別れするならまだしも、僕が精神的に未熟なばかりに人に愛想をつかれるというのが、途方もなく情けなく思えたのである。
僕はこんないい年にもなって、良くも悪くも人に愛想を尽かされる経験をしたことがなかった。みんななんだかんだで優しくしてくれていた。はじめてそういう危機にさらされて、僕は初めて至らないところを直そうと思った。
結局、僕はフラれてしまった。理由は上記のとおり。必死に直そうとしたが、もう冷え切った彼女には届かなかったみたいだ。僕はこの時ばかりは自分を変えようと決意した。そして、半年ぐらいかけて今や10分前到着が当たり前で、メールも即座に返せる男になった。当たり前なのだが、今まで本当にこれができなかった。
出来るようになると、駅でハアハア言いながらバッグも半開きのような人とかがやけに目につき、そしていかに魅力ないのがわかる。どんなにかわいくても、この子は自分の時間のスケジューリングで精いっぱいで、僕と楽しい時間を過ごすために時間を捻出してくれなさそう、と勝手に思ってしまう。なぜならまさに、自分がそうだったから。タバコやめたとき、タバコのにおいがやけに気になるような感じ。
先日友人たちに会ったら、「お前本当に変わったな。びっくりした」と突然言われ、驚いた。そんなこと人に言われたことなかった。
今まで非モテで恋愛を嫌い、彼女ができたと聞けばその人に面倒くさくやっかんでいた自分が本当に恥ずかしい。恋愛ってリア充の特権で、すごく格別なことだと思っていたけど、ただ一つの人と人との関わり合いの形だということに気が付けて良かった。衝突することを恐れず僕にダメなところを注意してくれた元彼女にも今では感謝している。
逃した魚は大きいが そのおかげで前よりエサはよくなったようだな。 もしかしたらまた大物に出会えるかもな。