自分より優秀な人間に嫌悪感を感じる自分が嫌になる。それも年下だったら尚更だ。
技術職についている以上、クオリティとパフォーマンスに対する信仰は人並み以上持ち合わせている。そしてだからこそ如実に自分との技術の差が分かってしまうこの苦しみ。
嫉妬心から理不尽に足を引っ張ったり邪魔したりなんて醜悪な事はできない。己の価値観を否定する事になるから、その攻撃の矛先は周り回って自分に向かう事になる。実力で勝負して勝たないと決して納得出来ない。
世の中探せば自分より優秀な人間なんていくらでもいるだろうし、この仕事をしている以上いつか出会う事になろう事は頭の隅ではわかっていたはずだ。しかし過去、自分一人がトップを独走して他を寄せ付けないレベルにいた頃の、あの優越感と自尊心の快感が忘れられないのだ。
コンプレックスをバネにして努力して上回れば良い。それもわかってる。
しかし一人で完結する仕事なら良いが、チームとして動く仕事である以上、自分より優秀な人間を積極的に採用し、多くの時間を共にする事が求められる。それなりの年齢に差し掛かったら、ある時点から自分の負けを認めて自分の座っている椅子を明け渡さなければならないのだ。
その為には何が必要なのだろう。より高い地位?より高いライフステージ?より高い安定?
俺は納得できる気がしない。なぜならば俺は生粋の技術者だ。クオリティとパフォーマンスに対する信仰は人並み以上。俺の価値観はそこを基準に出来ている。年をとってもそこは変われるとは思えない。常に自分が一番でいたい。
手塚治虫、宮崎駿、彼らトップクリエイターの言動はとても理解できる。一度自分の技術に絶対的なプライドを持つと自分より優秀な人間を認められなくなるのだ。
認められるようになるか とは別の話になってしまうけど 手塚治虫やパヤオさんを例に出すなら 独立して自分のスタジオ(会社)を持って、一技術者を超えた立場で自分の仕事をする。 も...