わかりやすく私の考えを説明するために、皮肉の反対の側から考えてみましょう。皮肉の反対、皮肉屋反対派とは「悪口反対」派のことで、つまり「賛美正義」ひいては「社交辞令」に辿り着きます。するとこの性質上自分の口から誰かを叩くことは主義に反し、じゃあ何を武器に戦うかというと「何も言わない」、平和主義的な考えを信念として持つようになります。しかしやはり人間ですから、現実なかなかそう上手くもいきません。これはチョット理想主義的と言わざるを得ません。何日も続けているとさすがに嫌になっていきます。けれどもまあ人間というものは良く出来ており、アイデアが浮かんだら即座にメモする小説家志望みたいなのや自称思想家なんかでなければ自分の考えなどすぐに忘れてしまい、結果普段の元気を取り戻すようになります。しかしながら、明日になれば「あなた」という皮肉屋はまたひょっこりやってきます。そして皮肉屋反対派はまた負の一連を繰り返すわけであります。ちょっと気が緩んで皮肉屋の皮肉を言ってしまったらそれはミイラ取りがミイラになるようなもので、そういう様子を見かけたら是非握手でもするのがいいでしょう。彼はあなたと同じことをやっているわけですから。このようにあなたは日頃の鬱憤を吐き出すことで毎日せいせいとした日々を送れ、さらに周りは平和主義者なので誰も尖ることなく、あなたは自然と人生が楽しくなっていくわけであります。そうして平和主義者の方はどんどん現実との乖離に苦しみ、やがて神経衰弱になるのがオチでしょう。
あなたの皮肉に賛同するものが現れればなおよろしい。あなたは志を同じくする友を得、さらに楽しさ二倍・悲しさ半分という例の法則で愉快さは倍増です。皮肉というものはどんなものであれ言ってて楽しいものでありますから、別に良心を痛める必要などないです。そういう善行は釈迦とキリストにでもまかせておきましょう。皮肉を否定するのが一番いけない。ブラック・ジョークというものがあるように、皮肉はユーモアとも切っても切れない関係にあるのです。さて、懇切苦心したつもりではありますが、以上の私の拙文に、皮肉的ユーモアが十分含まれていればいいのですが。
皮肉屋が一番嫌がるのは罵倒だよ ゴミクズがえらそうな口たたいてんじゃねえ 今すぐ死ね