久々に実家に帰った日、待ち受けていたのは家族のドン引きした視線だった。
冷ややかな視線も痛かったがそれよりも心に突き刺さったのは妹のヒステリックな叫びだった。
「外でお兄ちゃんだって言いたくない」
歳が離れている分、特に兄弟喧嘩をすることもなく仲良くやってきたつもりだったが
母のヒステリー体質をしっかり受け継いでいるのもこの時知った。
父を除く家族一体のブーイングの中、這々の体で帰らざるをえなかった。
先ほどその妹から宅配便が送られてきた。20-21時の時間指定で。
玄関先で偶然配達のあんちゃんと顔を合わせたので、そのまま受け取ったが、
だが四角い。玄関の明かりをつけると、果たしてそれはタニタの体重計であった。
リアクションを取れずに固まる中、宛先人が妹の名前になっていることをかろうじて目が追った。
有効に使ってほしいということ、先日は言い過ぎたこと、2月の結婚記念日は絶対に痩せて帰ること、
細かいが息せき切ったような字でみっちり書いてあった。
高校生のお小遣いにしては少々額が張りそうな立派な体重計を見ると、母もお金を出したのだろう。
ただ、言い出しっぺは妹に違いない。家と会社を往復する世捨て人のような社会人生活を送ってきたが、
今更やばいと思った。私は意思弱だが、見栄っ張りだ。自分のためではなく妹のために痩せよう。
まずはメールを送ろう。
なるほど 最後の一行で釣りだとわかるわけだ トピ腫が釣りなんてやってなければ 少しお茶目なおっさんが最後にボケをかましたという話にもなっただろうに トピシュは殺されたほうが...