カードゲームやコンピュータゲームをやっているとたまに思うことをまとめたいと思う。
さまざまなゲームでヒットポイント(通称HP、ライフとも体力とも)、マジックポイント(通称MP、マナ、エナジー、リソースとも)という概念が使われているのだが、この関係をよくよく考え直してみるとバトルバランスは数式(のようなもの)で書き表すことができるのではないだろうか?
まず、ゲームのバトルとは基本的に「自分のMPを使って行動を行い、相手のHPをゼロにする」ことを目的としている。まずはここからスタートしよう。
議論の簡単化のため、まずは連続時間のリアルタイムバトルではなく離散時間のターン制バトルとし、ターン内のMPを使用した行動は完全に同時に終了することにする。
さて、まずメラ(仮)という行動を導入してみよう。このメラという行動は自分のMPを1消費して、相手のHPを1減らすという行動になる。
こんな感じだ。さて今ゲームの目的は相手のHPをゼロにすることであるから、AもBも相手のHPがゼロになるまでメラを打ち続けることが最適行動である。この行動を続けていくと必ず次のような状態で収束するだろう。
AもBも勝利条件を満たしているが、勝敗が付いていない。しかも何回やっても勝敗が付かない。これはバトルバランスとしては破綻してはいないだろうか?
さて、この条件を満たすためにメラという操作に工夫を加えることはできないだろうか?すぐに思いつく方法はダメージを固定値ではなく乱数である程度の幅を持たせることである。こうすれば期待値では互角であっても引き分けになる確率はかなり下がる。よってこのバトルバランスは破綻していない!
・・・しかしちょっと待ってほしい。このバトルバランスは破綻していないと本当に言えるのだろうか?抽選の揺らぎの積み重ねだけで果たして本当にAとBは「相手に勝った・負けた」と納得できるだろうか?答えはノーだと自分は考えている。
この第二条件を満たすためによく採用されるのが回復という行動だ(以下ホイミ(仮)とする)。この行動はメラとは逆に自分のMPを消費して自分のHPを増加させる行動である。A、Bはこの行動を適宜行うことで相手の行動を阻害することが可能になる。
しかしこのホイミはメラの完全に逆の操作であるために、Aがメラをし続けBがホイミをし続けてしまうと:
以下の状況に収束する。
両者も勝利条件を満たせず、MPが尽きるという事態が発生する。これは第一条件にも反するし、別の条件としても書き下せるだろう。