hamachan氏の批判は、逆ですよね?という指摘
なにより、こういう利害関係者の発言を圧殺したがる思想が何の疑いもなく平然とまかり通ろうとすることに対して、およそ日頃人権だの何だのという言葉を振り回す人ほど鈍感そうに見えることが一番恐ろしい、と思わないのだろうか。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120716-00000071-jij-bus_all
原発の今後に関する意見聴取会で、電力会社関係者が意見陳述を行ったことが批判されているニュースに対して、「利害関係者の発言を圧殺するものだ」とhamachan氏はお怒りの様子。
しかし、さて、hamachan氏の言う「利害関係者」は、「電力会社社員」のことですよね。とするならば、そこで言う「利害」とは電力会社に取って利害なのでしょうね。そもそも彼らは、(電力会社の)「利害」に関することについて、充分に国に発言し意見し交渉しているのではないですか。その点で、「彼らの発言が圧殺サレテイル!」という批判を聞けば、普通は「?」となると思うのですが、ここは、氏一流の諧謔なのですよね。
それはそれとしておきましょう。しかし、それを置いておいても、hamachan氏の今回の指摘は、随分的が外れている印象です。どういうことか、説明しますね。
今回の件で、彼らが批判されているのは、この会が「国民に対する意見聴取」の会であり、にも関わらず、国に対して別個にチャンネルをもっている電力会社の人間が、「会社」の立場で「会社」の利害について語ろうとしたからですよね。hamachan氏は、どうもそこを勘違いしておられるように見えるのですが。
当たり前の話ですが、「国民に対する意見聴取会」で意見を求められているのは、普段個別に国に対して直接意見を述べるチャンネルをもたない国民一人一人であって、そこで問題になっているのは国民一人一人の「利害」であって、電力会社の「利害」ではないですよね。例の東北電力企画部長が批判されているのは、そういう場で「会社としての意見を述べますと…」と堂々とやったことであって、(そして、中部電力社員がまた同じようなことをやらかして顰蹙をかっていますが)、ここで、無理矢理、意見表明枠に入り込んで、滔々と演説を行うことで、一般の『利害』関係者の意見を圧殺したのは、むしろ電力会社のほうですよね?怒りの矛先が逆ではありませんか?
じっさい、一般参加者も、次のようにコメントしたと伝えられていますよね。
会場にいた仙台市の男性会社員(35)は「推進の考えでも、一般の人の意見を聞きたかった」と憤っていた。
http://megalodon.jp/2012-0716-1058-49/www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012071690071108.html
こういうフラットな立場で意見を聞こうという人間から、今回の電力会社の行為が顰蹙を買ったのは、私が上で述べたことが、ごく当たり前の理屈として誰にも感じられることだからだと思うのですが、いかがでしょう。
というわけで、「利害関係者の意見圧殺」に憤りを感じるhamachan氏は、当然ながら、今回の電力会社の行為に大反対なのですよね。ならば、稿をあらためて、電力会社大批判キャンペーンをなさるんでしょうか。もし、しないとすれば、氏がおっしゃる「人権を振り回す人」への批判は、全てブーメランとなってご自分に返ってくるということも、覚悟しておられるのでしょうか。それとも、口をぬぐって知らんぷり、でしょうか。
大変興味深いところで、今後の氏の対応を見守るばかりです。