カラオケ行こ!観た。
いつもならシャバい実写化映画と無視していただろうけど、TLのオタクが良かったと言っていて逆張りセンサーが停止した。
ソフトBLっぽい感じなのかなと思いつつ、菊次郎の夏とかムーンライト的なヤクザと少年の文脈で見れば行けるか、と思って観に行った。綾野剛とハリーポッターみたいな少年というキャスティングではありつつ、絵柄による先入観もなかったのでその辺は観る側次第な気がした。綾野剛スタイル良いな。
冒頭のシーンでそういえば合唱モノも嫌いだったなと思い出して不安になったけど、その辺のバランスも良い感じだった気がする。歌がテーマではありつつ、歌いすぎないことで最後の紅も際立ってたし。
最初の紅は素人のカラオケとして別に全然下手でもないような気がして、よくよく思い出せば別にド下手と言っていた訳でもなかった気がするけどちょっと引っかかった。まあその分中盤のヤクザ達のインパクトがあって良かったのかもしれない。
ヤクザのコワさや部活の悩みも挟みつつ、あの気の抜けたBGMと共に一貫した軽妙なコミカルさを楽しむ作品という感じだった。紅の天丼とか結構フフッとなった。
和田君とか映画部のアイツとかも良いキャラしてたし、過不足なくちょうど中学生といった感じのやり取りもまた箸休め的に楽しめた。映画を見る部で流れてたのはカサブランカと自転車泥棒と、あとは何だったんだろうか。
変なヤクザに翻弄される可笑しさから、徐々に打ち解けて互いの軽妙な関西ノリの面白さへと変わっていって間延びもせず退屈しない。
チンピラに絡まれたり調子づいてカスと言って掴みかかられたり、ヤクザの怖さを描く場面でコミカルさから離れてピリッとするけれど、あんまり漂白された(もちろん本作でも相当されてはいるものの)反社会勢力というのもなんだし、それじゃただヤクザを名乗る変な人になってしまうし、あれも必要な場面だったなと思えた。ありがちなコメディでは物語に展開をつけるためのこういうシーンが中弛みめいて感じるけど、特にそういう印象を抱かなかった。
無神経にも学校に現れた狂児に同級生との揉め事をからかわれて、もう知らん!一人で困ってろ!ってなった後にLINEで大人の対応をするのが、少年とやくざ者の友情の距離感というものを端的に表すようで非常に良かった。
関西弁って松本を連想するから嫌なんだよね 吉本嫌いだし
あとは『三十四丁目の奇蹟』と『白熱』ですね