等身大の人間を描いたアイドルアニメは「この程度で悩んでんじゃね―よ」「脚本都合の鬱とかいらねーんだよ」と言われてしまう。
もはやアニメのアイドルにウジウジと普通の悩み方をするのなんて許されないんだ。
成長、それも絶対的に肯定するしかない成長の糧とする悩みしか視聴者は求めない。
愚かで人間臭いから悩むのではなく、無限に成長する可能性を秘めた怪物だから、どこまでも高みを目指しそれ故に自分の至らなさと何度でも向き合う、その過程の悩みだけがある。
鬼滅の刃の炭治郎が口にした「強くなるほどに自分の弱さがよく分かる」という号泣。
強者が強者故に壁に当たり、強者であるが故に素早く乗り越えまた強くなる。
その強さだけを見ている。
「努力する姿を見せるのがアイドル」であるとその昔誰かが言っていたが、その努力のレベルが凡人と同じでは許されない。
無限に努力してなお更なる強さを求める姿をオタクはアイドルアニメに求めているんだ。
人生が本当に2周目の超常的存在や、常人なら人生を3周しても得られない精神性を持った小学生のような、絶対的で圧倒的で完璧で究極の存在でなければ「アニメのアイドル」たり得ないわけである。
恐ろしいものだな。
どっかのアニメで「神アイドル」という言葉があり、それが本当に天上の世界に挑む存在になっていたが、まさにそのレベルじゃなければアイドルアニメのアイドルじゃないんだよ。
等身大の人間を描く場所としてもはやアイドルアニメは相応しくない。
アイドル作品で等身大の躓き方をしていると嫌がられるというのは確かにそうだが、それはアイドルが超人であってほしいからというより、沢山作品が作られる流行ジャンルは超人の話...
一昔前に見かけた「凡人が努力で~」みたいなふざけたこと言うやつの亜種だわな
もういいよ、私アイドルやめる! →大炎上スマッシュブラザーズ
その代わり現実社会で友達の等身大の悩みと向き合ってるから。