絵の部分においても徹底された。
キャラクターデザインは線を少なくし、左右対称が基本。
背景を減らすため、キャラクターのアップを増やして誤魔化した。
作画ミスが起きそうな箇所は、作監を兼任するシューゴさん自ら担当する。
移動シーンは上半身のみ、キャラが動かない場合は画面や背景を動かす。
普段から多用されている技術はもちろんのこと、その他にも様々な演出を駆使した。
「このシーン、かなり独特ですね」
「継ぎ接ぎなんだけど、あえてそうしているようにも見える」
「昔のインディーズ映画では、低コストで印象的なシーンを作るために、こういった手法が多用されたんだよ。『ヌードル・ハンバーグ』くらい知ってるだろ?」
「ええ、知ってますよ。美味しそうなタイトルだから覚えてます」
多彩な演出を用いることで、手を抜いていると思われないようにした。
毎日みそ汁を作るために、鰹節を削ったり煮干から出汁を取るのは大変だ。
忙しい時は出汁はパックでもいいし、なんならインスタントだってある。
それは不躾に言えば“手抜き”かもしれないが“不味くない手抜き”といえよう。
「『あいつは俺がこらしめてやる! 溜飲を下げさせてもらうぞ!』」
自分たちで声を当てるって発想もあったが、それはさすがにしなかった。
“漫然と観ているピーポーナードでも、そこにはすぐ気づく”というのがシューゴさんの弁だった。
逆に言えば、そこさえ持ちこたえれば「少なくとも見れる作品」にはなるってことらしい。
「一人くらいベテランいれたほうがよくないですか?」
「ベテランの演技は特筆しているから、周りが新人だらけだと逆に浮くんだよ」
実のところは「声優事務所が売り出したい新人をセット販売していたから」というのが理由だった。
セット販売というものは得てして売り手の都合に過ぎないが、それはそれとして需要はあるものだ。
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久しぶりにリアルタイムで冒険見たわ
久しぶりにリアルタイムで見たわ
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