2019-07-26

アニメ氷菓 最終話遠まわりする雛

あの傑作テレビアニメ氷菓」の最終回だ。

氷菓と言うアニメを知らない人も多いと思うが、京都アニメーションの作った小説原作アニメである

原作米澤穂信と言えば、読書家は分かると思う。

基本的主人公が「古典部」という仲間と共に身近な謎を解決していくというストーリー

推理小説好きな人には是非見てほしい。とくにシャーロックホームズ小ネタ満載だ。

小説作品性質上、一瞬ちょっと地味にも感じるこのアニメ

他の京アニ作品比較しても、登場人物たちの髪の色はみんな黒か茶色で、落ち着いた色合いをしている。

風景がことこまかく描かれているのは、京アニならではだ。

しか主人公思考を張り巡らすシーンで、「氷菓」は化ける。

ぜひとも1話を見てほしい。画面が一気に鮮やかになるシーンがあるのだ。

氷菓視聴者を驚かせた瞬間だった。

その、最終話

重ね重ね言うが、氷菓舞台が地味=SFでもファンタジーでもなく無気力男子高校生が主役なのであるが、

ラストシーン構成する色すべてがピンク色に染め上げられる部分がある。

狂気と美しさは紙一重だ。

ピンク結構強い色だ。優しさを感じる時もあれば錯乱を起こすような雰囲気もある。

しかしたらあのシーンは、画像だけ見たらおどろおどろしく見えるかもしれない。

しかストーリーと相まってあまりの美麗さに圧倒されたのだ。

常人では生み出せない表現しかしそれは畏怖の中にも温かみを持たせるような不思議感覚を味あわせてくれる。

これは実は、他の京アニ作品にも言えることかもしれない。

たことない表現や、怖ろしい映像を、日常の優しさのなかに組み込んでいる。

この素晴らしさは、失ってほしくない。どうしても。

あの色が、もう帰ってこないとしても。あの演出が、もう見られないとしても。

天才たちが新たな表現を作り出すという精神だけは、誰かがずっと受け継いでいってほしい。

そしてこの氷菓を生み出したスタッフはきっと、この世のどこよりも安らかで清らかで優しい場所に行って、また好きな絵を描いて動かしているんだと、私は信じている。

  • 「日常」の色遣いも良いんだよね ドタバタ劇が可愛く見える優しい色してる 地味にあのOPも衝撃的 可愛いから技巧に気付かないけどね

  • 武本監督が居なければ氷菓は生まれなかったし 津田さんが居なければあのすばらしいラストは無かった。 本当に氷菓という作品に出逢わせてくれてありがとう。 どうか安らかに。

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