2019-02-09

祖母が死んだ

先月、母方の祖母が死んだ。

最近認知症で日時の感覚がわからなくなったり同じ話を繰り返したりしていたが、高校(?)の入試では満点を取ったり、あの時代大学卒業している才女だった。

昔は教職につき、あの時代恋愛結婚をし、映画や革細工や日本画書道が好きな、穏やかで優しいおばあちゃんだった。

一昨年の冬、私は初めての彼氏USJに行くことにした。飛行機に乗る小旅行だ。ついでに母方の祖父母にも彼氏を見せに行こうと思った。母方の実家大阪にあるのだ。

チケットも買ってウキウキだった。

母に猛烈に反対された。結婚するかもわからないのに変な期待をもたせるなと。そして母方の祖父母挨拶に行く前に、父方の祖父母挨拶に行かないと迷惑だと。USJに行くのは構わないが、祖父母に会わせるのはやめとけと。

私はその彼と結婚する気だったので、変な期待ではないと判断した。OK

祖母認知症は、ゆっくりだけど着実に進んでいる。私が結婚するまでに死んじゃうかもしらないし、それなら彼氏いない歴=年齢だった孫の恋人結婚相手候補)を見てからの方が安心して死ねるだろう。

2つ目が問題だった。父方の祖母形式にこだわり、また嫉妬深い性格なので「ウチを後回しにされた!普通は先に父方の祖父母挨拶する!」みたいに怒るそうだ。それくらいのことでとおもったが、過去似たようなことでトラブルになったらしい。

結婚するなら親戚づきあいトラブルは起こしたくない。USJ旅行の前に、宮城に住む父方の祖父母に、日帰りで会いに行くことにした。

宮城に行った2週間後に大阪に行くという、面白いスケジュールになった。快く承諾してくれた彼に感謝。何度もお礼を言った。

父方の祖父母に「今度彼氏を連れて日帰りで遊びに行くよ」と電話した数日後、「父方の祖母は私と彼を本家挨拶に行かせたがっている」と父から聞いた。祖父10兄弟の9番目だから親戚から今まで軽んじられてきたけど、孫がまともな人と付き合っていて結婚もするらしいということで、自慢したいらしい。私が返事をするより先に父が断ってくれていた。

朝早く新幹線に乗って、挨拶して青葉城を見ておいしい牛タンを食べて、夜遅く東京に帰った。

挨拶の前、彼はとても緊張していたが、終わってからは「いい人だった」とケロっとしていた。

2週間後に大阪に行った。USJはとても楽しかった。次の日に祖父母に会いに行った。

持って行ったケーキをみんなで食べながら、祖母は「このケーキ綺麗やなぁ。飾りが繊細で、王冠みたいな形になっとって、綺麗なぁ。いやほんまに。作った人は、こういうのどうやって思いつくんやろなぁ」「増田ちゃん、いい人見つけてよかったなあ」と何度も言っていた。

帰り際になると祖父は別の長くなりそうな話をして引き止めようとした。

挨拶の後彼は「先々週より疲れた。引き止めようとしてたね。帰っちゃう申し訳いね」と言っていた。

その後通天閣道頓堀を見て帰った。

その後私と彼氏同棲を始め、結婚式の予定も決めた。

昨年の12月、母方の祖父母電話をすると、祖母は「来年結婚式たのしみにしてます。おばあちゃんはどんな人か知らんけど、増田ちゃんが選んだならきっといい人だと思うわ。本当に楽しみにしてるで」と言っていた。

母方の祖母は先月、お風呂で寝てのぼせて死んだ。多分苦しくなく、あったかいなあって思いながらの、幸せ最期だったと思う。

やっぱり、無理はしたけど、一昨年彼と会わせておいてよかったなあ。

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