はてなキーワード: 燃える!お兄さんとは
「法は倫理の最低限」というように、反倫理的な行為を何でも法規制すべきではない反面、倫理的な行為規範としては合法性を基準とする場合よりも高いものが要求される、ということ自体は何らおかしくないと思います。むしろ法と倫理の峻別は多くの場合表現規制に抗する論拠となる考え方かと。
例えば小学校の教員が用務員に格下げされて、立場が弱くなったのに乗じた児童から侮辱を受けるといった話は、今でもジャンプで書いてよいのか。書いてよくないなら法規制すべきなのか。妥当な線は、書いてよくないが法規制すべきでもない、ジャンプの方で気をつけるべきだ、というところではないか。
用務員の件は昔ジャンプの「燃える!お兄さん」という漫画で実際に起こったことで、抗議を受けてジャンプが回収にまでなった(俺は当時読んだ)。抗議した側は抗議などすべきではなかったし、ジャンプは断固として突っぱねるべきだったのだろうか。そういう極端な見解もあり得るが、妥当とは思えない。
このように、差別的その他の理由で表現を批判する側が、抗議等により表現者側の倫理的判断に訴えてそのような表現をやめてもらおうとすること一般を否定するのは筋が悪そうである。結局、批判側の言い分にどこまで理があるか、抗議行動は行き過ぎでないか(脅迫等は論外)といった個別の判断だろう。