2024-09-11

日本解雇規制は厳しくて緩い

またまた解雇規制緩和の話が盛り上がっている。

日本解雇規制については、そもそも現状認識に論争が起きることが多い。

一方が「規制が厳しすぎる」と言えば、他方は「OECD指標はそうではない」と反論するのがお決まりになっているが、これはどちらも正しくてどちらも間違っている。

日本解雇規制の特徴は「厳しい」と「緩い」の二層構造になっていることである

大企業公務員では、コンプラがしっかりとしているところほど、厳しい解雇規制を遵守している。

一方で、コンプラ意識の低い中小企業や、非正規雇用においては、何の補償もない安易解雇がまかり通っている。

から金銭解決解雇容認すれば、これは前者にとって規制緩和になる一方、後者にとっては規制強化になりうる。

(現状の判例から成り立っている漠然とした規制に対し、払った/払っていないは明確に判断できる話なので労働者としては訴えを起こしやすくなる。)

解雇規制緩和に反対する立場からよく引き合いに出されるOECDEPL指標だが、内訳を見れば正規雇用に関連する要素は値が高い一方、非正規雇用が要因となって低い値となっている。

また、当のOECDもこの二層構造問題視しており、社会保障非正規雇用に拡大する一方、正規雇用への雇用保護を弱めるべきだと主張している。

この二層構造理解なくして、自分身の回り経験だけで解雇規制論に口を出すと、木を見て森を見ずになってしまう。

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