久しぶりに夜の繁華街に出掛けたらかわいいね的な声掛けを受けた。ナンパ目的じゃなくキャットコールの類いだと思うのだけど小さい頃から全然他人にそういう言葉をかけてこられなかったのでそういうのでさえちょっと嬉しくなってしまう自分が気持ち悪い。
親戚が多かったのだけど男が多く、女はすごく年上が数人と同い年が1人いた。その同い年が小さな頃からかわいくて向こうの親が自営業で収入も不安定だからということで祖母がえらくかわいがっていたのはうっすら覚えている。自分に対してはまあ幼子特有のかわいさはあるよね!化粧を覚えたら女は変わるし!な雰囲気をずっとずっと感じていた。
そんな自分はある程度の年齢になっても身なりを整える発想が出てこず、典型的なオタクになっていたのだがその頃すでに同い年の親戚は化粧を覚えてかわいさに拍車がかかっていた。親戚の集まりに行けば比べられるから行きたくないなと思う頭はあるのに、身なりを整えることはしなかった。整えたところで笑われて終わりだと思っていたから。
そこから更に時を経て、社会人になって身なりもそれなりに整えられるようになってから出来た友人は自分を褒めてくれるので昔ほどコンプレックス大暴れは収まってきたが、今でもコンプレックスは背中に張りついているのを感じてる。
祖母はとっくに亡くなっているのだが墓守は私が任されているし、かわいかった親戚は両親こそ亡くなったが幸せに暮らしているしなんか毎回飲み込みきれないモヤモヤを抱えてブス根性でこのまま生きていくんだろうなーと、ふと思っただけの話である。