専攻医時代のこと
右半結腸切除において重要な上腸間膜静脈前面の主リンパ節に対するアプローチ
カンファレンスにて指導医や先輩たちは鈍的なアプローチにて郭清し抗がん剤で叩くべきという見解で一致
当時の僕は科長含め指導医や先輩たちを下に見ており、頼りのない医師であると感じていた
こいつらは大胆なアプローチが取れない度胸なしであり、すぐに抗がん剤に頼り消化器内科に患者を送りつけるクズだと
僕は筋層を越えていないT2止まりでそんな臆病な選択をするなど自分勝手な責任逃れだと指導医を非難した
いざ手術開始
順調に切除部位に到達
出血が始まる
ベテランのオペ看の「あ…」と言う声を皮切りに手術室内がざわめき出し、麻酔科医はずっと椅子から立ち上がりこちらを見ている。
途中で手術室に入ってきた指導医が周りを落ち着け「最後までいける?」と僕に聞いた
僕は至極冷静に「もちろんです」と答えた
さらに止血のため術野を確保しようとした結果スパーテルで血管を傷つけさらなる出血を起こした
やっぱ手術室レコーダーの導入義務づけが必要やね