素晴らしい映画だったのだが、帰宅してからwikipediaを覗いてみたら「最後に千代子がとんでもないことを言い出して多くの観客を振り落とすことで有名」と書かれていたので驚愕した
作中千代子に「恋の呪い」をかける老婆が出てくるがその老婆も千代子自身であることが示唆されている
つまり千代子は人生の最後に自分自身が己にかけた呪いからようやく脱却できて前向きに旅立ったという救済の言葉ではないかと受け取ったのだが…
もう一つ、あのセリフで「振り落とされた」と感じた人は「純粋な愛の物語だと思ったのに結局は自己愛かよ」という意味合いで捉えたのかなと思うのだが、正直最初から鍵の君に対する千代子の執着は狂気じみていて共感できなかったので、むしろあの言葉でスッキリしたというのもある
この映画は要するにずっと同じギャグを天丼し続けるコントみたいな構造をしてるので、最後に千代子がオチをつけてくれたのが嬉しかったんだよね
オチでもあるし新しいフリでもあるんだよな
あの人を追いかけ女優として生きるモチベーション(鍵)を手放したために静かに余生を送ってきたが、長い時を経て鍵がこの手に戻ってきたので、私はこれからまた同じことを繰り返すしそれが幸せだという