最近、村上隆と村上春樹の本を読んだ。どちらもインタビュー本のようなもの。
村上隆は、「コンテクストや市場のルールを理解する」という文脈で村上春樹に言及している。
曰く、村上春樹は私小説的・内省的な作風かもしれないが、欧米の名作に翻訳等で触れ、その文法・手法を理解することで、グローバルマーケットで通じる作品を作ることができたのではないか、と。そして、自分自身も同様に、欧米のハイアートのお作法・ルールを研究することで、それをクリアした作品を作り、売り込むことができた、と。
一方、村上春樹の視点では、そのような市場のルールを読み解く戦略的な思考はしていない、ということのようだ。ただ、書けることが広くなるように文章を鍛え、日々題材を見つけ、時間をかけて待つことにより、ある時に書き出すことができると。そして書いている時は文章に集中し、それを読む人のことなどは考えない、と。
両者のスタンスで共通する部分はあって、とにかく文章を、画力を高める、そのためにはガッツを持って書き直し、描き直し続けることだ、ということ。