女性向け漫画の「顔のいいモラハラくそ男子」は、ヒロインを「被害者」のポジションに置くための装置だよ。
実際のところは、「顔のいい男子」以外にも同じ装置が沢山ある。
嫉妬していじめてくる同級生とか、不公平な教師とか、毒親とか。
ヒロインを「つらい境遇」=「被害者ポジション」にまず置くのが、女性向け漫画の定跡なんだわ。
このポジションにあるヒロインは、大抵の行動について免責される。
実際のところ、結構漫画の主人公の女って理不尽なこと言ったりやったりするんだけど、何にも責任を負わなくていい。
どうも、このポジションは心理的にめちゃくちゃ楽みたいで、進んでダメ男を捕まえてしまう女性もいるぐらい。
で、この「被害者ポジション」から「成功者ポジション」への移動がシンデレラストーリーなわけ。
その過程で、これまで主人公をいじめてた加害者は改心するか、破滅する。
具体的には、家族と顔のいい男は改心し、ブサイク男と同性は破滅する。
そこに「耐えていたワタシが報われる」という女性読者のカタルシスがあるんだね。
漫画の中でだけならいいんだが、現実世界でもこの「被害者ポジション」を取ろうとする女性がいて
そういう人は世に溢れる女性への加害で頭がいっぱいになってるのね、常に。
でも、救済の王子さまは来ない。
現実ですので。