大学生になり、自分は周りのやつとは違うんだと思い始め、学生団体に所属しいろんなことをした。
周りからは意識高い学生として馬鹿にもされてきた。そんなの全く気にならなかった。
それでも自分はデカいことをやってやるんだ、と息巻いていたし、何者かになりたかった。
それがいつの間にか何者かになることを諦め、なりたかったことすら忘れたふりをしてしまっていた。
どれだけ意識が高くても、就職活動では結局選ばれる側で、いつの間にか大言壮語も吐かないようになり、迎合していった。
それなりのところに就職をできたが、同期で一番になるわけでもなく、それなりの成績だけど上司から特別に期待されるわけでもない。
そうこうしている間に結婚をし、子供もできた。今考えることは出世のことと転職した場合の同業種の給与水準、そして家のこと。
学生時代に肩を並べていた気がしていた知り合いは、起業家となってメディアに出たりしている。
自分と一緒に並んでいたはずなのに?どこで差がついたの?もともと違ったの?
あいつは何者かになったようで、自分は何者でもないナニカのまま。
就活なんてしない方がよかったのか?就職してから本気出してなかったのか?
何者かになるためには何をするべきだったんだろうか。
そもそも、何者かになりたいと思っていたはずなのに、何者かになる、というのは結果であり、目的でない、というところから間違っていたのかもしれない。
学生時代に語っていたような世の中を良くしたい、みたいな言葉は今全く響かない。
自分を酔わせるため、人から見てすごそうに見せるためだけの言葉だったんだろうか。
心の中で涙が止まらない。
俺はどうすればよかったんだ。これからどうしていけば良い?
どうやってこの気持ちと一緒に生きていけばいいのか?
こんな気持ち、気付くんじゃなかった。
世の中何者にもなれなかった人たちばっかだし、 人生は続くんだから泣いてもしゃーないよ
嫁さんの旦那さんにもなったし、子供のパパにもなっただろ? それだけで充分じゃないだろうか。