2022-03-18

大学運動選手恋愛経験競技生活に及ぼす影響

恋愛経験の有無3群で比較したところ,有意には至らなかったが(χ2=4.01,df=2,p=.135),交際経験を有する者の約75%が,記録を伸ばしているし,いずれの群でも過半数以上が大学3年生以上で記録を伸ばしている.今回の調査対象者には競技レベルの差があることは否めないが,恋愛経験と成績向上には負の関連性はないし,恋愛肯定的効果示唆される.

交際期間の長さ3群で比較した.対象恋愛経験のある49名である.χ2検定の結果,5%水準で有意差が認められ(χ2=6.38,df=2,p=.041),長期間交際群の約8割は記録を向上させている.中期間では向上,低下が半数となっている.短期群13名でも記録低下させていた者は1名のみである.長期にわたる特定相手との交際のみならず,短い期間であっても,記録の向上とは関係なく,長期間の安定した恋愛経験は記録の向上に寄与することも考えられる.

我々のデータからは,大学運動選手恋愛競技マイナス要因ではなく,競技生活を充実させるプラスの要因になると言える.本論の副著者は,在学中も全日本トップレベル女性アスリートで4年生次に最高成績を収めている.彼女自身学生時代恋愛には肯定的であったし,「あくまでも競技生活第一優先事項という前提が不可欠で,恋愛関係競技生活の優先度が逆転してしまうと、やはり競技生活に悪影響を及ぼしかねなかった」と回想している.

大学運動選手恋愛経験競技生活に及ぼす影響

神戸大学学術成果リポジトリKernel http://www.lib.kobe-u.ac.jp/kernel/seika/cover/ISSN=21868719.html

棒が伸びると記録も伸びる (至言)。

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