私は結婚して完全にセックスレスだったのに、ある日突然発症した。原因は不明だ。
ヘルペスはまじで痛い。洗う時とかギャーッて悲鳴出る。でも洗わないわけにはいかないし…。
膣口付近にできるのもつらいけど、肛門にできるのが一番つらい。地獄である。
どんなに気を付けていても、体質によっては再発を繰り返す。体質、としか言いようがないらしい。
隔月ペースで再発してると、再発抑制療法に切り替えられる。毎日薬を飲まなきゃいけないんだけど、これがよく効く。
1か月2000円くらい。鼠径部や陰部がピリっとしたら朝晩飲む。これですっかり再発しなくなった。
1年やったら1年休薬しないといけないんだけど、ヘルペスのない生活が快適すぎるので、
自分は調子がいい時に飲む回数を減らして貯めておき、休薬期間も「ピリッ」としたらすぐ飲むようにしてる。
ところで、冲方丁の「十二人の死にたい子どもたち」という小説がある。
終盤、この不治の病というのが、遊びで移されたヘルペスだということが判明する。
そして少女は周りからバカにされる。そんなつまらないことで死を決意するなんて、と。
ヘルペス持ちの私としては、作者に対してものすごく腹が立った。
ヘルペスは不治の病と堂々と言える(堂々と人には言えないけど)、つらい病気だ。
定期的に激痛がやってくる、排泄が困難、椅子にじっと座っていることもできない、
自由にセックスもできない、新しい恋愛もできない、他人と肉体的に深く関わることを躊躇してしまう。
ヘルペスになる前となった後の人生は、全然違う人生だ。作者は全然分かってないと思う。
実際、私も周りには「治らない持病があってね…病院通ってるんだよね…」みたいな感じで、訳あり顔で話したりする。
知らなかった。そんな怖い病気なんだ。快復を祈ります。