2021-03-20

絆の軽さ

ふと中学の時のことを思い出したので書く。

学校行事のたびに、「クラスメートの全員分の下の名前ひらがなで書くのが好きな女子」っていなかっただろうか。

体育祭の時の黒板とか、学級旗とか、遠足のしおりとか、寄せ書きとか。

スペースのあるところをみんなのファーストネームで埋め尽くす系女子

ウチらのクラスは仲がよくて、気軽に下の名前で呼び合えるようなアットホームクラスなんだよね~っていう「絆」の表明だと思う。

自分が中二の時のクラスに、それが好きな女子がいた。(Aちゃんとする)

Aちゃんは、クラスの中心的な存在で、行事が好きで、「クラスみんなで取り組も~っ」ていう感じの陽キャ女子

宿泊行事のしおりの表紙の作成を任されたときにも、Aちゃんはいものようにクラスメートの下の名前で空白を埋めていた。

でも、Aちゃんはそのときやらかししまった。クラスの中の目立たない系の女子名前を一人書き忘れてしまったのだ。

そのことが発覚したとき、Aちゃん自分ミスにすごくショックを受けていた。泣きながら何回もその子に謝っていた。

書き忘れられたほうの女子は、Aちゃんがあまりにも泣きじゃくるので、逆にAちゃんのことを心配して慰めていた。

の子クラスの中で、嫌われたり、いじめられていたというわけではない。

Aちゃんと仲が悪くて、意図的ハブられたというわけではもちろんない。Aちゃんに悪意なんて本当になかった。

Aちゃん行事に向けてみんなの一体感を強めようと努力していたけど、

その「みんな」の一員として、その子名前を思い出すことができなかった。

Aちゃんが大好きな「クラスのみんな」のなかに、その子の占める場所がなかっただけだ。

この騒動が起きた時に、自分がある種の爽快感を感じたことを思い出した。

クラスみんな仲良し!」なんてないことを、自分のほうから証明してくれた、

目立たない女子存在なんて一人ひとり覚えていない、ということを何の悪意もなく証明してくれた、みたいな。

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