仲良くなったと思ってもただの打算ばかり働いている。
大したものは描けないが、私はとあるジャンルのBLカプで絵を上げていた。
そこそこの評価をされていると感じていたが、自惚れかもしれない。
とある字書きが私にリプをくれた。
あなたの絵がとても好きだと。RTもくれた。大した絵でないにせよ、毎回褒めてくれて嬉しかった。
仲良くなった。
飲みに行った。
仲良くなったつもりだった。
頼まれて、何度か表紙絵を描いた。
だいぶ売れたようだ。
その頃から、字書きは私の絵に反応しなくなった。
絵をアップしても、反応しない。
ほかの絵師のイラストは必ずといっていいほどRTするのに、私の絵には無反応。
そうか、あまり好みの絵をかけてないんだな。そう思った。
仕方ない。
でも、本を出す時は相談が来た。
絵を描いて欲しい。
デザインもして欲しい。
声を掛けられると、なんだ嫌われてるわけじゃないのかと嬉しかった。
表紙を描いた。気合いを入れて。
出来上がった本の告知がきた。
もちろん私はRTする。その本だけじゃなくて、字書きの作品はいつだってRTしてきた。
あっちからは、私の絵に反応がなくても、それはそれこれはこれと思っていたから。
「表紙を描いてもらいました」
そんな紹介はもちろんしてくれた。
でもやっぱり
私の普段の絵には反応がこなかった。
他の絵師には反応するくせに。
そんなことが
二年ほど。
あるときようやく気づいた。
そっか。
たぶん、字書きは私じゃなくて別の絵師に描いてもらいたいのだ。
二番手の私にねだるのだろう。
私の絵が本当は好きじゃないのは、分かる。
仕方ない。そんなこと勝手だし。
私は描くのをやめて、ちょうどジャンルへの熱もさめたころだったから、筆を置いた。
字書きからの連絡はその後とくになかった。
空虚だなあと思った。
利用されて、なんて思うのはおこがましい。Twitterなんて、誰が誰に反応したって、しなくたって、勝手だ。
でも、分かっていても悲しくなるから描くのをやめた。
もちろん、本人に言うなんてしない。
誰も得をしないし。
Twitterでは、誰もフォローしていない。フォロワーは少し増えたけど。交流はしない。気持ちが楽だ。
仲良くしても、無駄だし。
今になって思うことは、私は字書きのことが好きだったんだ。だから、好きになってもらいたかったんだ。
もう会うことはないけど、元気でいてくれたらいい。
思いが届かなかったのは、
悲しいけど、仕方ない。
時々思い出して
少し悲しくなるから、供養のつもりで書き殴った。
少しすっきりした。
夜になったら、また絵を描こう。
もう、前のジャンルの絵は描けないけれど。