他人の悪い所ばかりが目について悪口をまき散らしてしまうのは、単に自分が満たされていないからなのだとある体験で気が付いた。
その場その場で自分を良く見せようと小さな嘘ばかり付いていた。
常に欠落感のようなものがあって、何かプラスの要素がなければ自分は人間として成立していないのだと思い込んでいたから、そうした嘘をつかずにはいられなかった。
両親には大切に育ててもらったけれど、幼少期の自分にはほんの少しだけ愛情が足りていなかったのかもしれない。
身体は歳を重ねるにつれて成長したけれど、心は欠落感を抱えたまま変わらず、むしろ欠落感を覆い隠すように歪に育っていった。
そうして、他人に悪口を吐き、自分を良く見せなければ生きていけないような人間になってしまっていた。
こうなると人は寄り付かなくなるし、仲良くしていた人も離れていく。
孤独。
身の回りで起こる出来事の原因が自分にあることを認めようとせず、何か不愉快なことがあると他人のせいにばかりしていた。
自分に欠点があることをそのまま認めることに耐えられないから、他人に投影して責め続けていた。
他人の問題点と自分の欠点は表面的には全く別のものだったけれど、抽象化すると根は同じなのだと気が付いた。
他人を貶めているつもりだったけれど、その他人というのは自分を投影した存在で、自分自身を貶めているのと同じことだった。
原因が自分にあるのに他人のせいにしていても当然、問題は解決はしない。
なるべくして、自分の中で自分の価値がどんどんと下がっていった。
すれ違う人にさえ見下されていると感じる程の劣等感を抱えるようになっていた。
誰も攻撃してきているわけではないのに、いつの間にか自分と接するすべての人が自分に悪意を持っているように感じられた。
原因を自分に求めずに何でも他人のせいにする思考は、統合失調症と地続きになっているのかもしれない。
ずっと、世界は無色で薄暗かった。
自分に自信があっても他人の悪口は言うでしょ 例えば口臭がヤバかったりしたら言うよね?