就職し、結婚、自分の家を持つといったひと昔まえのロールモデルが崩壊し現在では旧世代的価値観としてしばし批判の対象となっている。
新たな時代、価値観に即した生き方が模索されているのは当然の流れである。
しかし若者(主に学生)の生き方としてあるロールモデルとも言えてしまう青春像は変わる気配がない。
何かに全力で打ち込むのは素晴らしい、恋愛をして恋人ができるのは素晴らしい、一生の友達ができてすばらしい etc.
それらのほとんどが素晴らしいという表現で様々なメディア媒体に顔を覗かしている。
もちろんこんなものを無視して我が道を生きることができる人間もいるが、もともと興味があるがゆえにこれら青春の偶像にとらわれてしまう人間は少なくない。
「素晴らしい」が「そうでなくてはいけない、そうでなければ全く無意味」と変容し、
それが実現できないがゆえに学生時代に悩み大人になってからも感傷にとらわれ続けてしまう危険性がある。
あくまでも素晴らしいという表現なのでこれを否定できないが、若者への呪縛となって苦しむことにならないようにする手立てはないものかとふと思った。