2019-08-19

anond:20190819084452

犯罪者人権を認めず、その人権剥奪すれば、現行法の下での犯罪者に対する人権保障をしなくても済むため、その分の事務手続きが軽減されると考えられる。 また、日本国憲法保障されている裁判を受ける権利もなくなるため、犯罪者起訴する手間が省ける。

しかし、そうであれば現状より厳しい罰を犯罪者に科せられるかと言うとそうではない。

日本においては刑罰権をもつのは国だけである。国は正規裁判による判決に基づかなければ刑罰を科すことができず、個人犯罪者私刑を加えることは禁止されている。ところが犯罪者人権剥奪することで、裁判を受ける権利剥奪してしまうため、犯罪者裁判を受けることができなくなってしまう。裁判を受けさせなければ、国は犯罪者刑罰を科すことができないことになる。

人権剥奪した以上、犯罪者は人ではなく動物、あるいは物である」と考えることもできるが、その場合でも動物や物に裁判を受けさせることはできないため、結果としてやはり刑罰を科すことはできない。

人権のない動物や物であれば、自由私刑を加えていいのではないか」という考え方もある。しかし、人権のない犯罪者を殺したり傷を負わせたりすることは動物や物を傷つける行為に相当するため、実行者が器物損壊罪に問われることになる。また、人権のない犯罪者個人勝手牢屋に移動させて閉じ込めることは動物や物を勝手に持ち去る行為に相当するため、実行者が窃盗罪占有離脱物横領罪に問われることになる。

器物損壊罪窃盗罪占有離脱物横領罪とは、持ち主のいる物を壊した場合や盗んだ場合の罪である。だから、持ち主のいない物である犯罪者破壊しようが何をしようが罪にはならないではないか」という考え方もある。しかし、所有者のいない物については、民法規定により一番先に占有した者が所有者になるとされている。犯罪者占有しているのは、言うまでもなく犯罪者刑事施設収容している国である。つまり犯罪者国有物であり、個人の手が及ぶものではない。

したがって、犯罪者人権剥奪することにより、犯罪者に対して国であれ個人であれ誰一人として合法的に何の刑を科すこともできなくなる。

このため、犯罪者人権はないという理念犯罪者利益のために唱えられた理念であると考えられている。

裁判した後に「お前に人権なーし!」と剥奪するのはダメなんか。

記事への反応 -
  • 良く言うが、確かにそうだとは思う。 「重罪」となれば、人権はなくなるのではないか。 重罪というのは「自分の思い通りにならないから他人を殺す」や 「自分が金欲しさに他人を...

    • 犯罪者に人権を認めず、その人権を剥奪すれば、現行法の下での犯罪者に対する人権保障をしなくても済むため、その分の事務手続きが軽減されると考えられる。 また、日本国憲法で...

    • 警察に聞け

    • 道徳的に正しい生活をしている人間を守るのに「人権」なんて必要ないんだよ。だってみんなそういう人のことが好きだし、守りたいし、同情もするんだから。 犯罪者みたいな生きてい...

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