ぼろい一軒家を相続して、建て替えたときに思わぬダメージがあったな
実家は田舎と都会の中間くらいのところにあって、中古で買ったらしく最初見たときからそこそこ使いこまれてたような記憶がある
俺は10代半ばから20代半ばくらいまでそこに住んで、その後東京に出て一人暮らしをし、以後実家には戻っていなかった
相続というので分かる通り親が死んでそれが俺の物になり、色々考えた結果地元に転職、家は建て替えることにした
元の家に住んでいた期間はそれほど長くはないし(子供の頃の尺度で言えば十分長いが)、親とも正直折り合いがあまり良くなく
むしろ親の生活の跡が残る家には住みたくなかったので、建て替えにはかなり前向きな気持ちで臨んでいた
だが、いざ家具等を運び出し、いよいよ来週にはぶっ壊し始めるというタイミングで
最後のちょっとした荷物を回収するために古い家に行って、ついでに一通り見て回っていたら、何だか無性に涙が出てきた
特に、昔飼っていた猫がよく入り込んでいた隙間などが、家具の撤去により消えてしまったことが辛かった
この家を壊したらもうあの猫がいた場所は完全に消えてしまうんだと思うとたまらなくなって、誰もいないのをいいことに声を上げてオイオイ泣いた
一通り泣いたら落ち着いたので、直前で話をひっくり返して方々に迷惑をかけるような真似はせずに済んだし
古い家を壊して建てた新しい家は気に入っているので、まあ結果に不満は全然ない
予想外のことではあったが、あれはちゃんと泣いておいたのがきっと良かったなと思っている