2019-07-18

猫を殺した

気持ちの整理を付けたいので、書く。

私が昨日猫を殺した話だ。先に書いておくけれど、この話は100%フィクションから現実味は薄い。

私の足では、学校への最寄り駅から教室まで、だいたい15分くらいかかる。その15分の中のだいたい半分ぐらいまで、私はいつもと変わらずドラマCDを聞きながら歩いていた。長い下り坂が続く道で、その下り坂というのも緩急がついているから、ある程度まで歩くと下の方の道路微妙に見切れて見える。そこに、なにかがじたばたしているのが見えた。いや、私は猫を飼っているから、学校の近くには地域猫がたくさんいるから、それがなんだか分かっている。猫だ。猫が、なぜだか道路でじたばたと暴れているのだった。

どきっとした。怖かった。だが、私は目を逸らさずに近づいた。近づくと、やはり猫がじたばたしていた。

私は最初発情期の猫かなにかかと思っていた。狭い道路の真ん中にいるのでは危ないから、どけてやろうと思っていた。だが、違った。道路には血が落ちていて、猫が轢かれたのだとは容易に分かった。

そこにいたのは私だけではなかった。同じ学校の生徒も、近くの中学の生徒も歩いていた。だが、誰一人として、目を向けても、近づかなかった。触りもしなかった。私も同じだった。どうしたらいいのか分からなくて、怖くなって、その場にいるしかなかった。

この時、私は、誰か別の行動できる人が来て、誰かが助けてくれることを期待していたのだ。自分が動けばよかったのに、何をしたらいいのか分からない、助けたとして後から困るのは嫌だ、あるいは面倒くさい、そういう気持ちが、私の足を止めていたのだ。

そこに、過去同じクラスだった人達が来た。彼女らの名前は覚えていなかったが、誰かが来たことで私は安心していた。責任が私だけのものでは無くなったからだ。

近くの家の人にダンボールを貰ってその猫を入れた。もうぴくりともしなくなったその猫を抱き上げると、地面に付いていた側の身体は血でびっしゃりと濡れていた。結局、誰か脈を取れる人にとってもらい、それから対応を考えようということになり、生物先生を呼んだ。

分かっていたのだが、やはり猫は死んでいた。呼吸をしていなかったし、心臓も動いていなかった。私はそれを確認していたが、最後の望みにかけた。

分かっていた。多分、その猫はほぼ即死だったのだと。動けたうちにどうにかしたとしても、もうほぼ助からなかっただろうと。それでもやはり思ってしまう。私が立ちすくんでいた数分間、その間になにか出来たのではないかタクシーを拾って近くの動物病院に行って、そこにいる人に頼めばどうにかできたのではないか。いや、何かできたはずだ。それを私は、怠慢で、一つの命を見殺しにしたのだ。

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